2022年02月20日
上松町 赤沢森林鉄道
長野県木曽郡の上松町では、上松営林署(当時。現在の木曽森林管理署)が昭和53年に再敷設した旧小川森林鉄道赤沢支線の一部を利用し、昭和62年より赤沢森林鉄道(森林鉄道記念館〜丸山渡)として保存運転を開始しました。
上松町は動態保存可能な機関車や客車を保有していますが、施設等については森林管理署より借用しています。運行業務は上松町観光協会に委託していましたが、平成21年度から指定管理者制度が導入され、第三セクター・上松観光開発有限会社による運行に切り替えられました。
運行開始当初は鉄道事業化も検討していたようですが、陸運局から法律等に関する指導を得た結果、展示運転という形態で落ち着いたようです。
客車に関しては、現役時代からの機関車・客車の運用もありましたが、現在では北陸重機により新製された機関車とオープンスタイルの客車が主力のようで、上松町が当初は森林鉄道の文化財としての保存も重視していたのに対し、現在では観光客の集客率アップのみが主目的のように見えてしまいます(車両の老朽化や安全を重視した結果ともいえるのでしょうが)。
また、昔から夏期の一定期間にはトムソーヤクラブというイベント(各種の野外体験)が行われ、イベント参加料と森林鉄道乗車料金がセットされており、森林鉄道のみの乗車券が発行されません。どうみても子供連れの家族のみを対象としているようで、一人旅をする者には行きづらい雰囲気・料金体系です。幅広い客層(年齢・グループ構成)を受け入れられる体制にして欲しいものです。このイベント自体は否定しませんが、森林鉄道のみ利用できる体制にして欲しいと思い、高校生の頃、上松町に意見を書いた封書を送り、返事も来て検討するような事が書いてあったのですが未だに変わっていません。
【乗車券】
《平成元年・通常期用か?》 《平成元年・ボールドウィンパス》

写真左はたぶん平成元年頃の赤沢森林鉄道の(イベント非開催時)乗車券です。当時のものはサイズ・厚みとも名刺とほぼ同じで薄い(たぶん)檜を使用したものです。イベント開催時の乗車券は現在と同じ木製大型で厚みのあるボールドウィンパス(写真右)でした。後に通常期も厚みのあるものに変わったようです。
高知県馬路村が保存鉄道計画時だった頃に上松町を視察しており、恐らくこのアイデアをそのまま利用したのが馬路森林鉄道(旧魚梁瀬森林鉄道蒸気機関車をイメージした小型のディーゼル機関車が走る方)の切符で、ここと同様に木製(こちらは魚梁瀬杉を使用)で厚みがあるものとなっています。
なかなか面白いアイデアですが、個人的には一般の鉄道でも保存鉄道でも硬券以上の厚みのある切符は保管も大変なのであまり好きではありません。当時の薄型はお気に入りの1枚です。
《平成2年・通常期用か?》
この時点で既に厚みのある乗車券となっていました。
《平成18年・通常期用》
運行20周年記念の文字入り。平成23年8月に上松町観光案内所保管分を撮影させていただいたもの。
《平成19年・通常期用》
森林セラピー基地グランドオープン記念の文字入り。平成23年8月に上松町観光案内所保管分を撮影させていただいたもの。
《平成20年・通常期用》 《平成20年・ボールドウィンパス》

訪問日の平成20年8月16日はトムソーヤクラブ村開催中のため、森林鉄道のみの利用でもボールドウィンパスの購入となります。通常期用は記念に購入したい旨を伝えれば購入できます(使用はできません)。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【乗車券以外の収集品(平成20年8月16日収集)】
《赤沢森林鉄道テレホンカード》
園内にある食堂・売店『せせらぎの里赤沢』のレジで販売(1,000円)。ホワイトテレホンカードに加刷ではなく貼り付けで作られたようで、光沢があります。
《AFT-01ピンバッジ》

森林鉄道記念館停車場(赤沢停車場)の森林鉄道乗り場改札所にて300円で発売していたもの。他にもキーホルダーがあり(確か)500円です。上松町観光協会ホームページによると色は黒・白の2色があったようですが、ピンバッジについては黒だけありました。各種少数生産のようです。
『AFT-01』とは、保存鉄道である赤沢森林鉄道運行開始後に新製された北陸重機製機関車のこと。グッズの製造者はAFT-01に付けられている黒煙除去装置の製造メーカーである株式会社コモテック。これらグッズ収益の一部が森林鉄道の維持費にあてられます。
《赤沢森林鉄道パンフレット》
園内で配布されていたパンフレット。
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【赤沢自然休養林駐車場利用券】
《乗用自動車(平成23年8月12日収集))》
上松町、木曽森林管理署、赤沢渓谷を美しくする会が発行。領収印は上松町の印が押された駐車券です。税込600円。
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【写真(平成20年8月16日撮影)】

写真左は森林鉄道記念館停車場(赤沢停車場)の乗務員詰所。
写真右は赤沢停車場の駅名標。

川から森林鉄道記念館停車場ホームを望むと、結構高い位置にある事がわかります。
森林鉄道記念館と本線のレールは繋がっています。

森林鉄道記念館から本線上に引き出され展示されているボールドウィン蒸気機関車と酒井製機関車。赤沢森林鉄道復活時からしばらくは酒井製機関車が主力でした。後に老朽化のため、新製のAFT−01機関車に置き換えられます。しかし、今でもボールドウィン屋外展示の移動用として酒井製機関車が使用されています。

本来の森林鉄道(木材運搬用)として使用されていた線路を復活させただけあって、雰囲気はとても良いです。客車はオープンカータイプで、移動しながら森林浴ができるすぐれもの。

折り返し点である丸山渡(まるやまど)停車場。

写真左は丸山渡停車場から森林鉄道記念館側を見たもので、手前右側に分岐していく線路はうるし沢方面への支線。通常の保存運転には使用されていません。
写真右は、本線から分岐してすぐの地点でうるし沢方面を撮影したもの。線路上には客車が保存(放置?)されています。貴重な車両ですが痛みが激しく、危険な状態です。

※2006年8月04日掲載(本文、平成元年頃の乗車券)
※2008年8月30日更新(H20乗車券・ピンバッジ・写真)
※2011年9月12日更新(指定管理者制度導入に伴う本文修正、H18・19乗車券)
※2012年3月12日更新(H元年ボールドウィンパス、H2年頃の乗車券)
※2022年2月20日更新(H23駐車場利用券)
【関連記事】
《指定管理者制度移行後》
上松観光開発 赤沢森林鉄道
《営林署・森林管理署関連》
上松運輸営林署 小川森林鉄道
上松営林署 森林鉄道記念館付属施設等(赤沢森林鉄道)
木曽森林管理署 赤沢自然休養林
《その他木曽森林鉄道関連》
王滝村 2005森林鉄道フェスティバル
《小川森林鉄道代替交通機関》
上松町営バス 赤沢線
上松町コミュニティーバス 「ひのき号」吉野・焼笹線
上松町は動態保存可能な機関車や客車を保有していますが、施設等については森林管理署より借用しています。運行業務は上松町観光協会に委託していましたが、平成21年度から指定管理者制度が導入され、第三セクター・上松観光開発有限会社による運行に切り替えられました。
運行開始当初は鉄道事業化も検討していたようですが、陸運局から法律等に関する指導を得た結果、展示運転という形態で落ち着いたようです。
客車に関しては、現役時代からの機関車・客車の運用もありましたが、現在では北陸重機により新製された機関車とオープンスタイルの客車が主力のようで、上松町が当初は森林鉄道の文化財としての保存も重視していたのに対し、現在では観光客の集客率アップのみが主目的のように見えてしまいます(車両の老朽化や安全を重視した結果ともいえるのでしょうが)。
また、昔から夏期の一定期間にはトムソーヤクラブというイベント(各種の野外体験)が行われ、イベント参加料と森林鉄道乗車料金がセットされており、森林鉄道のみの乗車券が発行されません。どうみても子供連れの家族のみを対象としているようで、一人旅をする者には行きづらい雰囲気・料金体系です。幅広い客層(年齢・グループ構成)を受け入れられる体制にして欲しいものです。このイベント自体は否定しませんが、森林鉄道のみ利用できる体制にして欲しいと思い、高校生の頃、上松町に意見を書いた封書を送り、返事も来て検討するような事が書いてあったのですが未だに変わっていません。
【乗車券】
《平成元年・通常期用か?》 《平成元年・ボールドウィンパス》
写真左はたぶん平成元年頃の赤沢森林鉄道の(イベント非開催時)乗車券です。当時のものはサイズ・厚みとも名刺とほぼ同じで薄い(たぶん)檜を使用したものです。イベント開催時の乗車券は現在と同じ木製大型で厚みのあるボールドウィンパス(写真右)でした。後に通常期も厚みのあるものに変わったようです。高知県馬路村が保存鉄道計画時だった頃に上松町を視察しており、恐らくこのアイデアをそのまま利用したのが馬路森林鉄道(旧魚梁瀬森林鉄道蒸気機関車をイメージした小型のディーゼル機関車が走る方)の切符で、ここと同様に木製(こちらは魚梁瀬杉を使用)で厚みがあるものとなっています。
なかなか面白いアイデアですが、個人的には一般の鉄道でも保存鉄道でも硬券以上の厚みのある切符は保管も大変なのであまり好きではありません。当時の薄型はお気に入りの1枚です。
《平成2年・通常期用か?》
この時点で既に厚みのある乗車券となっていました。《平成18年・通常期用》
運行20周年記念の文字入り。平成23年8月に上松町観光案内所保管分を撮影させていただいたもの。《平成19年・通常期用》
森林セラピー基地グランドオープン記念の文字入り。平成23年8月に上松町観光案内所保管分を撮影させていただいたもの。《平成20年・通常期用》 《平成20年・ボールドウィンパス》

訪問日の平成20年8月16日はトムソーヤクラブ村開催中のため、森林鉄道のみの利用でもボールドウィンパスの購入となります。通常期用は記念に購入したい旨を伝えれば購入できます(使用はできません)。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【乗車券以外の収集品(平成20年8月16日収集)】
《赤沢森林鉄道テレホンカード》
園内にある食堂・売店『せせらぎの里赤沢』のレジで販売(1,000円)。ホワイトテレホンカードに加刷ではなく貼り付けで作られたようで、光沢があります。《AFT-01ピンバッジ》

森林鉄道記念館停車場(赤沢停車場)の森林鉄道乗り場改札所にて300円で発売していたもの。他にもキーホルダーがあり(確か)500円です。上松町観光協会ホームページによると色は黒・白の2色があったようですが、ピンバッジについては黒だけありました。各種少数生産のようです。『AFT-01』とは、保存鉄道である赤沢森林鉄道運行開始後に新製された北陸重機製機関車のこと。グッズの製造者はAFT-01に付けられている黒煙除去装置の製造メーカーである株式会社コモテック。これらグッズ収益の一部が森林鉄道の維持費にあてられます。
《赤沢森林鉄道パンフレット》
園内で配布されていたパンフレット。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【赤沢自然休養林駐車場利用券】
《乗用自動車(平成23年8月12日収集))》
上松町、木曽森林管理署、赤沢渓谷を美しくする会が発行。領収印は上松町の印が押された駐車券です。税込600円。======================================
【写真(平成20年8月16日撮影)】

写真左は森林鉄道記念館停車場(赤沢停車場)の乗務員詰所。写真右は赤沢停車場の駅名標。

川から森林鉄道記念館停車場ホームを望むと、結構高い位置にある事がわかります。森林鉄道記念館と本線のレールは繋がっています。

森林鉄道記念館から本線上に引き出され展示されているボールドウィン蒸気機関車と酒井製機関車。赤沢森林鉄道復活時からしばらくは酒井製機関車が主力でした。後に老朽化のため、新製のAFT−01機関車に置き換えられます。しかし、今でもボールドウィン屋外展示の移動用として酒井製機関車が使用されています。
本来の森林鉄道(木材運搬用)として使用されていた線路を復活させただけあって、雰囲気はとても良いです。客車はオープンカータイプで、移動しながら森林浴ができるすぐれもの。
折り返し点である丸山渡(まるやまど)停車場。
写真左は丸山渡停車場から森林鉄道記念館側を見たもので、手前右側に分岐していく線路はうるし沢方面への支線。通常の保存運転には使用されていません。写真右は、本線から分岐してすぐの地点でうるし沢方面を撮影したもの。線路上には客車が保存(放置?)されています。貴重な車両ですが痛みが激しく、危険な状態です。

※2006年8月04日掲載(本文、平成元年頃の乗車券)
※2008年8月30日更新(H20乗車券・ピンバッジ・写真)
※2011年9月12日更新(指定管理者制度導入に伴う本文修正、H18・19乗車券)
※2012年3月12日更新(H元年ボールドウィンパス、H2年頃の乗車券)
※2022年2月20日更新(H23駐車場利用券)
【関連記事】
《指定管理者制度移行後》
上松観光開発 赤沢森林鉄道
《営林署・森林管理署関連》
上松運輸営林署 小川森林鉄道
上松営林署 森林鉄道記念館付属施設等(赤沢森林鉄道)
木曽森林管理署 赤沢自然休養林
《その他木曽森林鉄道関連》
王滝村 2005森林鉄道フェスティバル
《小川森林鉄道代替交通機関》
上松町営バス 赤沢線
上松町コミュニティーバス 「ひのき号」吉野・焼笹線
